忍者ブログ
ひそやかな楽しみのために
[24]  [23]  [22]  [21]  [20]  [19]  [18]  [17]  [16]  [15]  [14
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

思いついた妄想小話。

アスちゃんが違うんじゃないかとか、性別とか、目が見えてるっぽいぞとか、駄目なところはどうぞ突っ込んで下さい。書き直しもできるので、教えてやってね、にゃろ。

ラブシーン頑張りました(ガッツ)!………っていうか、あれってラブシーンって言えるのか…?うーん…。
軽いけど、微妙に性的なニュアンスを含んでいるので、苦手な方はご注意下さい。13禁or15禁くらいかな。

話の中の「サーヴィス」っていうのは、イタリアではあるそうですよ。本で読んだだけですけど。

「? 何か良い匂いがします」
部屋に入るなり伸び上がって空気の匂いを嗅ぎ、アスパイアがこう言った。
荷物を手に持ったジーノがその後ろで同じように鼻をくんくん動かしても何も感じない。
そうかな?と首を傾けながら、部屋に入った。その様子を見て、わかりませんか?とアスパイアも首を傾げて見せた。
おおかた、前に部屋を借りてた客の香水か何かの匂いが残っているのだろう―と思いながらジーノは荷物を椅子の上に置き、着込んでいたジャケットを脱いでハンガーにかけた。
部屋は白と深い緑で揃えられていた。白といっても、壁はその表面に表情をつける凹凸が施されているし、長年使われてきたであろうせいで落ち着いた風情の作りになっていた。古くからその地を訪れる宿泊客に親しまれているこのホテルは、ジーノも以前、何度か仕事で遠出する際に利用したことがある。大きすぎずかえって宿泊施設としてはやや小さいくらいだが、それがかえって便利なのだ。今回も実は仕事だったが、彼が一晩帰らないことを知ったアスパイアがしょんぼりしたのを見て、一緒に来るか、と誘いかけたのが始まり。ジーノがご迷惑でないのなら…と遠慮がちに乗ってきた彼女に「そんなことはない」と笑って、一緒にアカシアの並木が立つこの地にやってきた。仕事を終わらせたその残った時間で楽しむささやかな旅行。旅行と呼ぶこともできないようなつつましいものだけど、二人でいつも住まう場所を少し離れているだけでいい。
ジーノはタイを解いた楽な格好になり、立て付けの悪い窓を開け放した。乾燥した風が、外の香りを運び込む。それを思い切り吸って、吐くと、仕事の後の開放感が胸に満ちてくる。
「ジーノ、ほら、これです」
アスパイアが傍に寄り、その白い手のなかにあるものを見せた。
銀と赤の紙に包まれた小さな丸っこいものが二つ。
「チョコレート…これの匂いだったんです。良い匂いがするって言いましたでしょう?」
匂いの原因を突き止めて、アスパイアは少し誇らしげだ。嬉しそうにこちらを見上げている。美味しいものを発見したのだから。
「どこにあったんだ?」
彼女の手の中にころんころんと転がる包みのうちの一つを指でつまんで、ジーノはアスパイアを見た。アスパイアは背後のベッドを指差す。
「あっちのベッドの枕元に」
そうか…とジーノは呟いてベッドとアスパイアを交互に見やった。アスパイアの目がきらきらとジーノを見詰めていた。
「ジーノ、これ食べても…良いものでしょうか?」
「いいよ。サーヴィスだから、これは」
こういうとき、やっぱり女の子だよな、と思う。甘いものを前に顔を輝かせているようなとき。
しかし、そんな顔をしながらもアスパイアはチョコレートの包みを開くことをせず、ちらりとジーノを見上げた。遠慮がちの上目遣いが恥ずかしげな。その視線でジーノは「ああ」と笑った。そして自分が手にしていた包みを開き、丸いチョコレートを指でつまんだ。甘い香りが今度は彼にもはっきりとわかるくらいに立ち昇る。アスパイアにチョコレートを見せつけ、欲しい?と目で問いかけると、待ちきれなくって飛びついてきそうな様子だ。そこを焦らす。彼女の唇に菓子が触れるか触れないかのところでひょいと手首をひるがえし、ジーノはアスパイアをチョコレートを狩るゲームに誘う。アスパイアはチョコレートを追いかけるが、ジーノがひょいひょいと逃れるので、食べさせてもらえない。
「ジーノが意地悪します!チョコレート食べたいのにぃー!!」
拗ねた子供のように声をあげたアスパイアの口の中に、ジーノはチョコレートを放り込んだ。その舌触りを楽しんで、口の中が深い甘みで満たされてくると、彼女は「美味しいですー」とうっとりしている。そんな子猫の目の前に、ジーノは自分の指をかざした。遊んでいた間に溶けたチョコレートがべったりくっついている。指先から香る濃厚な香り。チョコレートはジーノの体温に温められている。
「ジーノ…」
鼻先に指をかざしてきた男の意図を読み取って、アスパイアは戸惑ったようだった。頬に赤みが強い。
ジーノはチョコレートが付いた親指と人差し指以外の3本で、アスパイアの顎を持ち上げた。それに観念したように、彼女はそっと唇を開く。細い手がその顎を掴む男の手に触れた。唇が指を咥える。先ほど口に入れた甘みと同じはずのものは、まったく違う味に感じられた。男の指先から漂うものが彼女の口の中を取り押さえる。ジーノの匂いがつんと強烈に鼻をついた。とても近くに彼を感じる。
「あぅ…」
アスパイアは耳をきゅっと倒して目を閉じた。ジーノの指が動いている。抜き差しを繰り返す無骨な指たち。二人の間の距離はたちまちのうちに熱く凝縮される。
やがて指が引き抜かれて、彼女の口の中に平和が戻ってきた。アスパイアの目は雫で潤んでこぼれ落ちそうだ。そんな様子にジーノは笑いを浮かべて軽く口付けた。
「美味いだろう、俺の指は」
そう言って余裕ぶり、ゆっくりと片目を閉じてみせる悪党をちょっとだけ憎たらしく思う。
「…………はい、………」
けど、私だって美味しいと思われたい。
アスパイアの頬はまだ紅潮している。
そんな彼女の様子を見て、ジーノは黙っていることにした。
ベッドサイドに置かれたチョコレートは、この地方の宿泊施設にてよく見られるサーヴィスだ。それが古い時代、チョコレートには媚薬効果があると思われていたために「素晴らしい愛の一夜を」という意味が込められているということを、アスパイアにはまだ言わないでおくことに決めたのだ。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ジノアスー♪
せっかく素敵な小説貰ってたのに、メッセで愛を叫んだだけで、レスをすっかり忘れていました!!ごめんなさい!!il|| (´△`|||)ゞ

すごい、良い感じにエロいー!!
トキメキまくりです♪しかも、ケータイに送って貰った白猫ちゃんのおかげで、ジノアス熱再燃!!
Sなジーノさん素敵だわ♪ご主人様と呼ばせたいっ!!
アスもめちゃくちゃ可愛いんだものvv

あー、サーヴィスなのかな?
アジアに旅行行ったときにあったわ☆枕の上にあった。何かわからないから警戒して開けなかったけど(笑)

もー、すっごい萌えな小説ありがとうでしたん♪
にゃろ子 URL 2007/06/09(Sat)23:49:21 編集
あら、ありがとー♪
あら、メッセでだって叫んでくれたのにわざわざありがとうv
ふふふ、やっぱりジノアスは我々の原点でしょうから(笑)?
「ご主人様」…と呼ばれるようなそれぞれの立場だったら、ジーノはアスちゃんを名前より「お前」とか「そこの」とか呼んだりしそうな気が…(あ、それで夜だけ名前で呼ぶんだとかかな?)。
アスちゃん、こんなイメージなんだもんー。

ほおー、アジアでも?同じ意味合いなのかしら?

いえいえ、喜んでいただけるならなによりでしたv
黒崎 2007/06/10(Sun)01:21:38 編集
最新記事
最新CM
忍者ブログ [PR]